ニュルンベルク・コンサート・ホール

ドイツ, ニュルンベルク, 2017

シューボックスの包み方

コンペの概要で明らかに「シューボックス」型のコンサートホールが求められた時(音響性能と、経済効率性には議論の余地がないだろう)、我々の冒険心の矛先はどこか他に見つけなければならなくなる。

繋げるフィルター

ニュルンブルクの新コンサートホール設計における課題は、その建設用地に起因する。この建物は、「遮断」と「接続」の二役を課されている。既存のマイスタージンガーハレへの追加である新コンサートホールは、交通量の多い二つの道路が交わる北西の交差点を遮断する必要があると同時に、より大きな既存コンプレックスの一部としての設計であるため、同アンサンブルに加え南東に位置するルイトポルダイン公園に向かって開かれた設計でなければならない。

再プログラミング

1960年代に竣工したマイスタージンガーハレは、当時の魅力を大いに物語る造りだ。大小のコンサートホールがベトン・ブリュット様式のアンサンブルに納まり、水平方向のスペースをふんだんに使った幅広のホワイエを介して屋外の緑が自然と流れ込む。
FBAでは、新しい建物を既存の建物に物理的に接続することで、屋内外の円滑な繋がりを遮断することを避け、川の流れを変化させる川面の枝といった風情で佇む、独立した建物を提案した。
オープンエリアは、旧ホール設計時にはエントランスであると同時に、交通量の多い公道との緩衝の機能を果たすものだったが、新コンサートホールでは、これを再びプログラムし直すことから始まった。新旧ホールを物理的に繋ぐのは唯一、地下構造だけだ。

ランドスケープ

新しい建物の根幹、すなわち新コンサートホールを包み込むゾーン全体が、建物と同じくらい大切な要因となってくる。コア部分を包み込むレイヤー部分と外部とのリンクがテーマであるため、脇役だった付属プログラムの重要度が増す。新コンサートホールと既存の周辺空間の間に、ホワイエ、音楽家ゾーン、事務所、ラウンジ、リハーサルホールなど種々の空間のためのランドスケープが生まれる。

リズム

このランドスケープは、根幹部分を水平方向に取り巻くリボンと、精密な計算に基づき滑らかなリズムを刻む縦方向ルーバーから成る。街に面した北西部は開口部の数をほんの数個に限ることで神秘性を喚起し、片や森に面する南東側を完全に開放することでホワイエと庭、その先の公園との境界線をぼやけさせるようにした。
その結果、水平・垂直の両方向に各エレメントを繋ぐ複雑なネットワークと、音響上独立したコア空間により構造システムが形成された。
人々の動線を辿る二本のリボンは内外ファサードの垂直構造により分離され、接続される。固定と開放の遊びの中で、ニュルンベルクの新コンサートホールはシティとパークを繋げていく。

音楽

既存マイスタージンガーハレのファサードという精密な構成言語を引き継ぎつつも、その単調な 巨大さは、透明で変化に富むリズムによって徐々に柔らげられ、新しいコンサートホールの中心部が明らかになって行く。
ランドスケープをめぐるリボンはぐるぐる回りながら、コンサート会場という画然たる空間へ流れ込む。ここで人々が体験するのは孤立した出来事ではない。人々のゆったりとした旅はホールにたどり着く前に始まり、その後も余韻の中で続いていく。

(翻訳:山尾暢子)

 

ドイツ, ニュルンベルク, 2017

Type

公共, 文化施設, 劇場

Status

コンペティション

Team

フロリアン ブッシュ, 宮崎佐知子, 山野友嵩, 重村茉代, マックス マデック, 凌靜而, ジェイミー エデン

音響: 永田音響設計

構造: ARUP

環境: ARUP

施主: City of Nürnberg

Size

延床面積: 13,854 m²

Structure

鉄筋コンクリート造
ニュルンベルク・コンサート・ホール
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